沖縄電力の料金値上げ、経済界は「3重苦の厳しい状況」 物価高と人手不足でさらに・・・


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 燃料価格の高騰で財務が圧迫されているとして沖縄電力が国に申請していた電力料金の改定が16日に承認され、6月からの値上げが決まった。物価高や人手不足に伴う賃上げ対応にも追われる中での電気料金値上げに、県内の各経済団体からは「影響は大きい」「3重苦の厳しい状況になる」などと不安の声が上がった。

 県商工会連合会の米須義明会長は「沖縄は中小企業が多く、薄利多売で経営しているところにダイレクトに響いてくる」と指摘。「物価高の上に電気料金値上げは各事業所への影響が大きい。商品価格を上げると消費者への影響もある」と先行きを懸念し「国や県への要請も引き続き継続していきたい」と話した。

 「好調な景気の腰を折る可能性もある。沖電にはもう少し努力してほしいが、国が承認したので対応するしかない」。県中小企業家同友会の喜納朝勝代表理事は声を落とす。「経営者はどんな厳しい環境でも事業継続することが使命だ。値上げ後は自助努力が大切になる。賃上げ対応など課題は山積だが、踏ん張りどころ」と語った。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「業界にとって原材料値上げ、人件費高騰に加え、電気料金の値上げという3重苦の厳しい状況だ」と説明。「コロナ対策融資の返済が始まる時期も重なる。中小企業や個人事業主を中心に苦境に立たされている。国や県に支援を頼みたい」と窮状を訴えた。

 JAおきなわの前田典男理事長は「(電気代値上げで)農協だけでも1億ほどのコスト増になるはずで、かなり厳しい。農家にとって飼料、肥料の値上げに続き、とどめになりかねない」と吐露。「県に支援を要請しているが、国にも支援をお願いしたい」と求めた。
 (謝花史哲まとめ)