橋の老朽化、費用膨大で架け替え困難 住民生活に影響、20年通行規制の事例も


社会
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 沖縄の日本復帰時に集中的に建設された橋が老朽化し、一部で通行止め・規制措置がとられていることによって、近隣住民の生活にも影響が出ている。うるま市石川の富祖橋は1984年に建設され、2005年に市町村合併でうるま市になる以前から歩行者しか通行が認められず、車両は約20年通行規制が続く事例もある。

 うるま市維持管理課によると、老朽化、維持管理費の増加や利用頻度の低下を理由に通行規制しており、修繕または撤去を検討しているという。担当者は橋の架け替えには莫大(ばくだい)な費用がかかるため、予算の関係上難しいと述べた。

 富祖橋は近くに公園もあることから地域の子どもたちや高齢者、地元の農家も日常的に多く利用する。だが、橋の両端には「まわり道」と書かれたブロックが置かれており、車両は通れない。近隣住民は「周辺道路が恩納村への抜け道にもなっているため車の往来も激しい。安全・安心のためにも、取り壊すのであれば橋に隣接している道路の幅拡張や歩道を整備してほしい。もしくは新しい橋をかけるなどの対策を講じてほしい」と話した。

 通行止め・規制措置がとられている橋は南部地域に8基、中部に7基、北部に4基、離島(与那国島)に1基ある。大部分が橋の老朽化が原因。通行規制の主な規制内容は車両の重量制限となっている。沖縄は塩害などの影響で、国内の他の地域と比べて橋が傷みやすい環境があることを受け、沖縄総合事務局と県、各市町村はこれまでに「橋梁長寿命化修繕計画」を策定した。
 (與那原采恵)