佐賀、オスプレイ配備で土地の売買契約 自衛隊の「南西シフト」大きな節目に


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陸自輸送機V22オスプレイの配備が計画されている佐賀空港=4月、佐賀市

 陸上自衛隊輸送機V22オスプレイの佐賀空港(佐賀市)配備計画を巡り、九州防衛局は18日、新駐屯地予定地の名義人となっている佐賀県有明海漁協と、土地約31ヘクタールの売買契約を締結した。防衛省は既に工事業者と契約しており、早ければ6月上旬にも駐機場や格納庫など関連施設の整備に着手する。

 県への配備要請から約9年を経て、防衛省は最大の課題だった用地取得にこぎ着けた。九州、沖縄方面の防衛力を強化する自衛隊の「南西シフト」の大きな節目となる。

 九州防衛局の伊藤哲也局長は取材に「契約できたことに感謝したい。賛成ではない人の意見を重く受け止め、対策や説明を重ねて懸念を払拭する」と話した。

 漁協の西久保敏組合長は「排水対策などをしっかりやるよう伝えた。土地を買収した後は好き勝手にやるということでは困る」と述べた。両者は買収総額を明らかにしなかった。

 九州防衛局は18日午前、空港隣地に新たにつくる佐賀駐屯地(仮称)の排水や地域振興など11項目の協定を予定地の地権者が多く所属する漁協南川副(みなみかわそえ)支所と結んだ。協定には漁業被害が生じた場合の補償のほか、米軍が常駐しないことも盛り込まれた。

 新駐屯地にはオスプレイ17機を配備し、目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県)からヘリコプター約50機を移駐する。

 売買された土地はもともと漁場だった干拓地で、漁業補償の一環として県が漁協に払い下げていた。
(共同通信)