OTSグループ、映像通訳サービス展開で新会社を設立 インバウンドテック(東京)と合弁で外国人誘客を強化


この記事を書いた人 琉球新報社
合弁会社OTSインバウンドテックを設立するインバウンドテックの下大薗豊会長(右端)、OTSサービス経営研究所の山田真久CEO(左から2人目)ら=18日、那覇市の琉球新報社

 沖縄ツーリスト(OTS)グループのOTSサービス経営研究所(那覇市)は6月、インバウンド(訪日客)の通訳サービスなどのインバウンドテック(東京都)と合弁で、海外からの観光客向けのリアルタイムの映像通訳サービスなどを手掛ける新会社「OTSインバウンドテック」(那覇市、内藤修司社長)を立ち上げる。OTSサービス経営研究所が展開する、県内のお勧めの場所や店舗を紹介するサイト「おきなわCompass」の多言語化なども進める。

 インバウンドテックは東京と大阪にコンタクトセンターを構え、スマートフォンで12言語対応の映像通訳サービスを24時間態勢で実施している。那覇市にも7月中旬にヘルプデスクを開設し、地元雇用を中心に、20人規模のオペレーターを配置する予定。

 ホテルや観光施設の従業員と旅行者をビデオ通話でつなぎ、チェックインの手続きや行き先案内など、旅のコンシェルジュとして必要なサポートを展開する。

 インバウンドテックなどによると、沖縄には今後多くのインバウンドが訪れる見込みだが、言語の壁は高く、沖縄旅行の際に意思疎通がうまくいかない外国人客は多い。

 宿泊施設の従業員を仲介し、訪れた外国人客とオペレーターの3者が互いの表情を見ながら会話することで、安心して観光情報をやりとりし、旅を楽しむことができるという。

 インバウンドテックの下大薗豊会長は「沖縄に訪れる観光客に楽しんでもらえるよう、スポットを広げていきたい。通訳会社と旅行会社の連携で、沖縄のリピーターを増やしたい」と抱負を語った。

 OTSサービス経営研究所の山田真久CEOは「『おきなわCompass』の多言語化は難しいと思っていた。合弁会社設立で両者の強みを生かすことができる」と話した。
 (與那覇智早)