横浜BCの得点源・河村を徹底マーク キングス、要所の守備光る BリーグCS準決勝


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 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)セミファイナル(準決勝)第2戦が21日、沖縄アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は横浜ビー・コルセアーズ(中地区2位)に88―84で勝利し、2年連続のファイナル(決勝)進出を決めた。前半は小野寺祥太の3点弾などが要所で決まるが、パスミスなどターンオーバーも続き、攻撃の流れが悪かった。第1クオーター(Q)終わりから第2Q初めにかけて連続で13得点を許し、点差を広げられたが、ジョシュ・ダンカンの3点弾などで点差を縮め39―41で折り返した。後半は第3Qに横浜BCを早い時間からチームファウル五つに誘い、フリースローも決めながら、牧隼利の3点弾で逆転すると、ブザービーターで追いつかれた。同点で入った第4Qは一進一退の展開が続いたが、岸本隆一の3点弾でキングスが一歩先へ。横浜BCがファウルゲームを仕掛けるがアレン・ダーラム、岸本がフリースローを決めて逃げ切った。決勝は27、28、30日に千葉ジェッツと横浜アリーナで対戦する。

キングス―横浜BC 第2Q、横浜BCの河村勇輝(左)をマークするキングスの小野寺祥太=21日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 ポストシーズンはけがでベンチスタートだった横浜BCの河村勇輝が先発した。2月の天皇杯で45得点された苦い記憶もあったが、キングスは代わる代わる河村にマークをつけて、激しい守備で16得点に抑えた。試合後、桶谷大HCは「河村君を大当たりさせなかったことが勝因」と振り返った。

 キングスは先発した小野寺祥太がマークについた。河村の速さにも食らいつき、思うようなプレーをさせない。攻撃でも小野寺は要所で3点弾を決めて、会場のボルテージを上げた。第2Q途中に小野寺は三つ目のファウルでベンチに下がると、その後は20日の試合に続き、コー・フリッピンがマークにつきタフショットを打たせ、ビッグマンのジョシュ・ダンカンがショットをブロックするなど河村の3点弾を2本に抑えた。

 インサイドでは、ジャック・クーリーやアレン・ダーラムが活躍。クーリーは3人の選手にマークされながらオフェンスリバウンドを奪取。ダーラムは仲間と共にダブルチームで相手選手にリバウンドを簡単には取らせなかった。

 横浜BCにリードされる展開が続いたが、要所で守備が光り、逃げ切った。守備の要である小野寺は河村への対応へ反省を示しながら、「ファイナルでポイントガードや中心選手につくと思うので、修正していきたい」と力を込める。決勝の相手、千葉ジェッツに意識はすでに向いている。
 (屋嘉部長将)


▽準決勝第2戦(沖縄アリーナ、8619人)

キングス(西地区1位)2勝
 88―84(22―25,17―16,24―22,25―21)
横浜BC(中地区2位)2敗

(琉球は決勝進出)

 【評】横浜BCの素早い攻守の切り替えに苦戦していたキングスだったが、試合を通して、守備の強度を落とさず、攻め続けた。守備の強度を保つために選手が入れ替わるも、8点以上取った選手がキングスは6人と横浜BCの4人を上回った。キングスは相手のターンオーバーからの得点(12点)や速攻からの得点(11点)がどちらも相手の2倍以上をマークした。

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ほっとしている

 桶谷大HC(キングス)の話 とりあえず勝ててほっとしている。ファウルが多く、なかなかハードに守備をするのができなくなってしまった。ファウルをうまく使い切れなかった。勝負どころで相手の攻撃を止められたことは良かったと思う。攻撃では、流れの中でどうすればいいか、みんなでコミュニケーションをとりながらうまくプレーできた。

本当に悔しい

 青木勇人HC(横浜BC)の話 本当に今は悔しい思いだ。昨日(20日)の敗戦を受けて、私たちもしっかりと修正を入れて戦うことはできた。このポストシーズンは素晴らしい一歩だったと思う。ここで悔しい経験をしたのはチームの財産だと思う。しっかりと自分たちの努力を続けていきたい。