市民延べ27人拘束 辺野古、陸海で抗議行動


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
座り込む市民らを排除する県警や警視庁の機動隊員ら=13日午前7時6分、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設で、沖縄防衛局は13日、大浦湾に移動したスパット台船2基に加え、大型クレーン船に搭載した掘削機材で調査の準備を進めた。沖縄防衛局は昨年同様、3カ所同時並行の調査で作業を加速させる構えだ。移設に反対する市民らは抗議船3隻やカヌー17艇に乗り、臨時制限区域の内外で抗議行動を続けた。海上保安官によって延べ27人が一時拘束された。

 ボーリングは全24カ所中19カ所が終了している。11日からスパット台船1基による20カ所目の調査が始まっている。
 抗議船船長の金井創さん(61)は「冬は海が荒れ、順調に作業が進むかは分からない。数時間、数日でも作業を遅らせなければならない」と語った。
 一方、米軍キャンプ・シュワブの旧ゲート前では約70人が座り込んだ。県警や警視庁の機動隊員ら約100人が市民らを一人ずつ排除した。その間に石材を積んだダンプカーを含む工事関係車両20台余がシュワブ内へ入った。
 ゲートの左右両脇では機動隊が、排除した市民らを鉄柵や警察車両を使って囲い込んで一時的に自由に行動できないようにした。けが人や逮捕者は確認されていない。
 また、新基地建設に海上で抗議するカヌー隊「辺野古ぶるー」の4人が12日、新たなチーム「ヒヤミカチ」を発足させた。「新しい道具を使うことで何かが生まれるかもしれない」と、立ちこぎの「SUP(スタンドアップパドルボード)」で大浦湾へこぎ出す。海だけでなく、陸上でも資材搬入阻止の決意を固める4人。そろいのTシャツの背には、ボードに立つ人影と共に「さあ、たちあがろう」とプリントした。
 12日、辺野古海上で海上保安官に拘束された際、腕を痛めた男性船長(62)は13日、北部市内の病院で、全治1週間の打撲と診断されたという。