パイナップルの葉から衣類、ストローに 自社開発の機器を初お披露目 フードリボン 沖縄


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 天然繊維抽出機を用いてパイナップル葉繊維を製造している素材メーカー「フードリボン」(大宜味村、宇田悦子社長)は22日、天然繊維産業創出プロジェクトのキックオフイベントを那覇OPAで開催した。パイナップルの葉から繊維を抽出する自社開発の専用機器のお披露目もあり、パイナップル葉繊維を取り入れた首里織や紅型の衣類、雑貨が展示された。

 廃棄されていた葉から製造した衣類やストローなどを「ファーマーズテキスタイル」として流通させることにより、プラスチックを削減し、生産者の収入を上げることを目的にしている。地元農業団体・研究機関などと連携して、県外・海外でも生産を始める予定で、年間生産量千トンを目指している。

 宇田社長は、アパレル商品の大量生産・大量廃棄が環境破壊の原因の一つとなっている現状を説明。「5年後には(衣類などに用いられている)オーガニックコットンの5%をファーマーズテキスタイルにしたい」と目標を掲げた。

 イベントには行政や経済団体、研究機関、パイナップル生産者や農業関係者ら約160人が参加した。

 同社は大宜味村田港に天然繊維製造施設を新設する。平屋建て工場棟と、本社機能や地域住民が気軽に利用できるコミュニティーエリアを備えた敷地面積2900平方メートルの大型施設になる予定だ。
 (普天間伊織)

天然繊維抽出機のデモンストレーションを見学する参加者ら=22日、那覇OPA
パイナップルの葉を天然繊維抽出機に通して作られたパイナップル葉繊維