プロ野球西武の山川穂高選手が23日に強制性交容疑で書類送検されたことに、郷土の星として応援してきた地元関係者らが動揺を隠せずにいる。山川選手は沖縄県内の公的機関の広報活動などにも起用されていただけに、関係機関は動向を注視している。
沖縄県警は犯罪の発生を抑制し、安全で安心して暮らせる地域社会を実現するための「ちゅらさん運動」の2023年イメージモデルに山川選手を起用していた。ポスター約4千枚を県警関係機関や各種協力団体などに配布していたが、一部報道を受けた5月中旬以降、掲示を取りやめるよう周知した。
県警生活安全部は「山川選手に関する状況を総合的に勘案し、掲示を取りやめとした」とした。
イメージモデルはボランティアで、報酬の支払いはないという。
オリオンビールは4月、山川選手のデザイン缶を数量限定で発売していた。限定缶の出荷は同月25日に全て終えており、広報担当者は「店頭に並んでいる数はわずかであることから、回収する予定はない」とした。また、テレビでのCM放映、公式サイトでの画像掲載は予定の公開期間をすでに終えている。
山川選手は2018年、パシフィック・リーグの最優秀選手となった。出身地の那覇市は同年12月に市民栄誉賞を贈ったが「動向を注視している」として現段階での対応は未定。規則上、市長の判断で栄誉賞を取り消せるが、これまでに取り消した事例はないという。
那覇市営奥武山野球場(沖縄セルラースタジアム那覇)内の野球資料館には、県出身選手の写真パネルが掲示されている。施設を所管する市教育委員会市民スポーツ課は「動向を注視している」として撤去などは行っていない。