沖縄都市モノレール(ゆいレール、渡慶次道俊社長)が23日発表した2022年度決算は、経常損失が2億8800万円、純損失が2億7200万円となり、3年連続の赤字だった。新型コロナウイルス禍が落ち着きモノレールの乗客は増加基調だが、修繕費や動力費など営業コストが膨らんだことが響いた。2023年度も影響が続くことを織り込み、赤字を見込む。
渡慶次社長は23日の記者会見で「厳粛に受け止めている。(コロナ禍の)過去3年とは環境は違うので、先が見えないわけではない」と説明。一方、運賃値上げについては「検討はしないといけないだろうとは思っている」と述べ、電気料金値上げの影響などの見極めが必要との認識を示した。
売上高に当たる経常収益は前期比45.6%増の36億3500万円。コロナの影響緩和で乗客数が前期比43.6%増の1690万9千人(1日平均4万6326人)と大きく伸び、旅客運輸収入を押し上げた。
一方、費用面では設備の経年劣化に伴う部品交換などで修繕費がかさんだ。電気料金値上げでモノレールの運航に必要な動力費や、人材確保に向けた初任給引き上げなどで人件費も増加した。
減価償却費を含めた償却前損益では、8億8600万円の黒字となっている。
2023年度は開業20年の節目で、3両化車両の運行も始まる。同社は経営安定化に向け、駅舎や車両の有効活用を通じた需要拡大、路線バスやレンタカーとの連携を通じた輸送力増強と交通結節機能強化、資金繰りの安定確保を課題に掲げた。
2023年度は1日平均乗客数5万2千人を見込むが、経費の圧迫が続くことから経常損失3億8900万円、純損失6億2300万円の赤字を予想する。
(當山幸都)