【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新規基地建設に関し、政府が移設先周辺の名護市辺野古、久志、豊原の3区(久辺3区)と話し合う「久辺三区の振興に関する懇談会」の第7回会合が25日、首相官邸で開かれた。約4年ぶり。島袋茂辺野古区長は移設計画について「着実に進んでいる。住民生活への影響がさらに拡大するのではないかと不安を抱えている」と述べ、松野博一官房長官に直接、久辺三区の活性化に向けた政府の支援や振興策の早期実現を要請した。
松野官房長官は2日連続で3区長と顔を合わせ、厚遇ぶりをにじませた。懇談会では3区の要請に「引き続き、政府の取り組みについて、皆さまの理解・協力を得られるよう、全力で取り組む」と答えた。これまでに支援してきた事業として、辺野古区では多目的運動広場の整備、豊原区では区民広場の整備、久志区では避難橋の整備事業などを挙げた。
島袋区長は、沖縄防衛局が各区と「振興策協議会」を設置して区民の要望を聞き取って対応し、沖縄総合事務局は農業集落排水事業や県道13号の歩道整備に着手したとして「目に見える形で整備による支援策が示されていることに感謝を申し上げたい」と話した。
懇談会は冒頭を除き非公開だった。終了後3区長らは記者団の取材に応じず、官邸を後にした。取材に応じた政府関係者によると、3区長は振興策のほか、廃弾処理による騒音問題について解決を求めた。
(明真南斗、安里洋輔)