「きょうだいで切磋琢磨(せっさたくま)。3人で仲良く競い合っている」。ソフトテニスで県高校総体に出場する八重山高3年の福本聖己(せな)、2年の福本安汝(あんな)、1年の福本礼央夏(れおな)。4月のハイスクールジャパンカップ県予選大会では、ダブルス男子で長男の聖己、同女子で長女の安汝がそれぞれ優勝。兄のペアに敗れた次男の礼央夏は3位入賞を果たした。
3人とも、母に連れられて練習を見学したのがソフトテニスとの出合いだ。小学校低学年のころ、競技を始めた。中学生の時から部活終わりに3人で自主練習をするなど、技術を高め合ってきた。今も互いに打ち合いや試合を行い、ときには練習に母が参加することもある。
練習では、聖己の打ち込む速いボールに安汝も受けて立ち、「手加減なしのガチでやってくれる」と満足そうだ。礼央夏も「練習中もライバル意識を持っている」と集中して取り組んでいる。
県総体に向け、聖己は「弟と戦うことになってもボコボコにする」と手を緩める様子は見せない。礼央夏は「ボコボコにして倒す」と兄に言葉を重ね、闘争心をあらわにする。安汝は「お兄ちゃんが良い結果を残しているので、自分も刺激されている。頑張りたい」と意気込む。
きょうだい全員で臨む最初で最後の総体。競い合う3人だが、目標は「全部きょうだいで優勝」と心を一つにした。
(名波一樹)