対戦相手がいなくても競技への情熱は変わらない―。首里高女子ホッケー部は沖縄県総体に単独出場し、認定優勝となる。県内で対戦相手のいない寂しさがあり、モチベーションが下がることもあるが、一足先に6月に沖縄で開催される九州大会へ照準を合わせている。先輩後輩の上下関係は緩やかで、活気あふれる表情で練習に打ち込む。
チームの軸になるのは、MF久高倫主将、FW大見謝乃愛(のあ)、DF大城汐依(ゆい)の3年生3人だ。久高は「シュートを決めた時が一番気持ちいい」と競技の魅力を語る。
全国総体出場を懸けた九州大会では、過去を通じて未勝利。最高は引き分けだ。8チームの上位3校が全国切符を手にする今大会でまずは1勝を目指す。2年生12人、1年生10人と人数はそろうが実力的には他の九州勢が優勢だ。2年生のFW護得久優愛(ゆあ)は「チャンスはある。隙を狙って得点したい」と奮起を誓う。
他県と違い、試合経験の少なさが大きなハンディとなっている。それを補うのがホッケー経験者のOB、OGたちだ。主に大会前、普段は1カ月に1度ほどのペースだが、共に練習や試合をしてチーム力の底上げにつなげてきた。
女子ホッケー部は島袋雅史コーチ(与勝高教諭)が首里高勤務時代に立ち上げ、創部11年目。現在でも指導に携わり、選手の技術向上に情熱を注ぐ。「プレーを楽しむことも大事だし、それで強くなることが理想。ただ、一番は今までやってきたことが報われるように、勝つ喜びを味わわせたい」と選手に目を向ける。持ち味のチームワークを武器に全力プレーで念願の勝ち星を目指す。
(大城三太)