カヌーのカヤックペアで昨年の四国総体に出場した翁長優(那覇商3年)がカヤックシングルに種目を絞り、2年連続の全国総体進出を狙う。「全国に行くためにも、県大会でしっかり結果を残したい」と意気込む。
カヌーとの出合いは小学6年生のころ。レクリエーションでその楽しさに触れた。高校入学後、カヌーの部活があることに興味を持ち、本格的に始めたが、一気に印象は変わった。安定性のあるレクリエーションのカヌーからスピードを追求する競技用のカヌーに変わり、何度も落水した。「きついし、負けても悔しい」。けれどもライバルと競いながら勝つことの達成感が、翁長を成長させた。
先輩たちが引退して県内の女子選手がほとんどいなくなったことから、翁長は学校で声を掛けて、仲間も増やしていった。昨年は、その仲間と一緒に全国総体を経験するも、全国との実力差を感じたという。ペアの練習を重ね、タイムはどんどん縮んでいった。
146センチと小柄な翁長は、ピッチを速くするため、スタミナの消費も激しい。1日に複数レースが組まれる大会では体力は持たないと判断し、今大会はシングルに専念することにした。ペアの練習時間もすべてシングルの時間となり、苦手としているスタートダッシュを中心に練習の量も増えてきた。
小禄の選手とほぼ毎日、国場川で練習している。今大会はコロナ禍で制限されていた声出しの応援も復活する。「仲間たちに応援されるように一生懸命こぎたい」。県大会の先にある全国大会へ向かい、パドルを握る手に力が入る。
(屋嘉部長将)