比嘉(本部)ジャークで県高校新 フォーム改造からの道筋とは 重量挙げ・女子59キロ級 <県高校総体2023>


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 沖縄県高校総合体育大会第2日は28日、20競技が各地で行われた。重量挙げの女子59キロ級は比嘉成(本部)がジャーク105キロで県高新、スナッチ90キロとトータル195キロで大会新を樹立して圧巻の優勝。陸上の男子400メートル障害は高江洲昌俊(球陽)が54秒23で頂点に立ち、女子三段跳びは喜久里彩吹(那覇国際)が11メートル36で走り幅跳びに続き2冠。水泳の男子平泳ぎは100メートルと200メートルで比嘉功太郎(興南)が2冠を達成した。100メートルは1分3秒30で大会新を出した。女子バタフライ100メートルは比屋根ゆず(コザ)が1分3秒23の大会新で連覇。弓道の男子団体は首里、女子団体は興南、アーチェリーの団体は男女とも宜野湾が優勝。剣道の団体は男女とも興南、空手道の男子団体組手は前原、女子団体組手は浦添が制した。体操の男子は宮城茉於(那覇商)、女子は當間花織(小禄)が栄冠を手にした。新体操の男子個人は新垣大輔、女子個人は金子あかりの南風原勢が優勝。ボートの男子シングルスカルは護得久零、ダブルスカルは前田琥朱・當銘由雄斗の美里工勢がそろって頂点に立った。


女子59キロ級 スナッチで90キロを挙げて大会記録を更新する比嘉成(本部)=28日、糸満高校体育館(喜瀬守昭撮影)

 女子59キロ級の比嘉成(本部)はこの日、絶好調だった。スナッチもジャークも第1試技から自ら立てた大会記録を超える重さを軽々と成功。県高校記録となるスナッチ95キロこそ「勢い余って」失敗したものの、日本高校記録と並ぶジャーク105キロは「3本のうち一番軽く感じた」と、危うさを全く感じさせずに成功させた。圧巻の試技に、応援に駆け付けた祖母・敏子さんをはじめ会場からはどよめきが上がった。

 不得手だったジャークだが、3月の全国選抜を前にフォームを改造。本数を重ねて体に覚え込ませ、重さを徐々に増やして仕上げてきた。スナッチ95キロの失敗をジャークの105キロ成功で挽回できたことに、「自己最高を2キロも更新できて、うれしい」と会心の笑みを浮かべた。

 次に見据えるのは、さらなる記録更新だ。「6月の九州でしっかり決める」と掲げたのはスナッチ95キロ、ジャーク107~108キロを挙げての日本高校記録。「トータルで200キロを超えないと戦えない」と11月の世界ジュニアも踏まえる。そして、次は女子59キロ級の第一人者・安藤美希子が持つスナッチ日本最高記録98キロ。達成の自信を問われ「挙げられる時に挙げていく。いけると思う」。日本新はすでに射程内だ。

(安里周悟)