トルドー首相も絶賛!? 石垣近海の本マグロ 広島サミットのワーキング・ランチで振る舞われる


この記事を書いた人 琉球新報社
G7広島サミットのワーキング・ランチでふるまわれた石垣島産の本マグロ(マルゲン水産提供)

 【石垣】20日に催されたG7広島サミット2日目のワーキング・ランチで石垣島近海の本マグロが使用された。マグロはえ縄漁船第六源丸(譜久村良一船長、9.7トン)が9日に石垣島南方の海上で釣り上げ、11日に八重山漁協で水揚げした。各国首脳から「おいしかった」「ありがとう」などの感想が料理担当者に寄せられたといい、石垣島の漁業関係者は「感動した。石垣島のマグロを世界にPRしていきたい」とと意気込んでいる。

 使用されたマグロは191センチ、118キロ。石垣近海で捕れるマグロにしては小ぶりだったが、脂ののりがよく、赤身が締まっていた。八重山漁協から京都の中央卸売市場に出荷され、食材として採用された。

 本マグロは京都の市場で、12日にセリにかけられた。当時の本マグロのセリ価格は1キロ平均千~2千円に下落していたが、このマグロは脂ののりなどが評価され、1キロ3千円の値が付いた。卸売り業者などを経て、ワーキング・ランチの食材になった。

石垣島産の本マグロが使用された「手毬寿司六種」

 外務省によると、ワーキング・ランチは20日午後0時10分から約80分間、グランドプリンスホテル広島で開催された。各国首脳らに国内の食材をふんだんに使用した和食料理がふるまわれた。八重山漁協の本マグロは「手毬(てまり)寿司六種」としてテーブルに並んだ。筋がなく柔らかい中トロの部分が使われたという。他のネタはタイやこはだ、穴子、イカ、スモークサーモンだった。

 料理を担当した菊之井(京都)の村田吉弘代表取締役は「ほどよい脂」と石垣の本マグロに太鼓判を押す。ランチ終盤、各国首脳らの食事会場に呼ばれた村田代表は首脳らから「おいしかった。ありがとう」と拍手を受け、手掛けた料理をたたえられた。カナダのトルドー首相は立ち上がり「おいしかった」と握手を求めてきたという。

 船員とともに本マグロを釣り上げた譜久村船長は「うれしいけど、まだピンとこない。喜びより驚きの方がちょっと上回っている」と笑った。

 船主でマルゲン水産の上地肇代表は「びっくりしたし、感動した。これを機に、石垣島のマグロを全国、世界にPRしたい」と意気込んだ。
 (照屋大哲)