PFASと米軍基地「確たる因果関係を申し上げるのは困難」 防衛省が見解


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県企業局の北谷浄水場

 【東京】米軍基地周辺の河川で高濃度での検出が相次いでいる有機フッ素化合物「PFAS」と米軍施設との関連について、防衛省の北尾昌也大臣官房審議官は29日、「因果関係について確たることを申し上げることは困難」との認識を示した。一方で、汚染源との疑いのある基地周辺の河川を取水源とする北谷浄水場で実施されている沖縄県のPFAS除去事業については、「地域住民の皆さまが不安を抱えている」として2019年度から財政支援を実施していると明らかにした。

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 北尾氏は、北谷浄水場でのPFAS対策の現状について問われ、PFASなどの化合物を吸着する効果がある「粒状活性炭」の更新を含む設備改良に2019年度から補助金を支出していると明かした。

 防衛省によると、補助率は総事業費の3分の2としている。

 北尾氏は補助の理由を「防衛施設の設置または運用により周辺地域に障害が出た場合、その緩和のために地方公共団体が行う施設整備に補助を行っている」と説明。米軍基地とPFASの検出との因果関係は認めず、北谷浄水場が米軍嘉手納基地に水を供給していることを引き合いに「浄水場にかかってきた負担に対応するもの」とした。

 補助の継続について小野田紀美防衛政務官は県や北谷町からの要望や計画などを踏まえ「適切に対応する」と述べるにとどめた。

(安里洋輔)