【国頭】長年、ウミガメの保護・調査を続けている日本ウミガメ協議会会員で自然公園指導員の嘉陽宗幸さん(69)=国頭村=が21日、国頭村謝敷海岸でアオウミガメの産卵を確認した。嘉陽さんは同日午前6時ごろ、ウミガメ産卵調査中に産卵を終えた親ガメが、産卵巣を砂で埋め戻すところを見つけた。
産卵場所は、周囲に石が転がり流木なども多い。産卵条件が厳しいため場所探しに右往左往したと思われるウミガメの足跡がほかの場所に残っていた。通常は暗いうちに産卵するが、砂場の選択や産卵に時間がかかり明け方の時間帯になったと推測されるという。見つけたウミガメは計測した結果、甲長が87センチ、甲幅が68センチだった。
嘉陽さんの調査では、同海岸付近での産卵は今年初とみられ、村内の他の地域では4月14日ごろに今年初めての産卵が確認された。5月21日時点の村内での産卵はアカウミガメ12件、アオウミガメ7件の計19件あったという。昨年の同じ時期と比較するとやや少ないという。
産卵巣には、目につきやすいように周囲に石を置き、ウミガメの種類や産卵日などを記入したフラッグを立てている。
嘉陽さんは「ゴールデンウイークには、行楽客によるたき火の跡も発見された。産卵は9月ごろまで続く。これから夏場に向け、世界自然遺産に登録され、キャンプや釣りをする行楽客がますます増えることが予想される。マナーを守り自然豊かなやんばるを楽しんでほしい」と要望した。
(新城高仁通信員)