北朝鮮発射物、黄海上空で消失と推定 沖縄県が対策本部、被害確認されず 北朝鮮メディア「事故で墜落」と報道【動画あり】


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県危機管理対策本部会議で県民に呼びかける玉城デニー知事=31日午前、県庁(小川昌宏撮影)

 北朝鮮が「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射したとの情報を受け、沖縄県は31日午前8時15分ごろ、危機管理対策本部(本部長・玉城デニー知事)を庁内で開催した。北朝鮮は31日午前6時28分ごろに発射したとみられ、県によると午前8時15分現在、人的・物的な被害は確認されていない。

 政府は午前6時半に全国瞬時警報システム(Jアラート)で、沖縄県を対象に情報を発信した。自治体向けの速報システムEm―Net(エムネット)は「北朝鮮からミサイルが沖縄県の方向に発射されたものとみられます」としていたが、午前7時4分に「我が国への落下または上空を通過する可能性がなくなったことが確認されました」として、避難の呼び掛けを解除した。

 沖縄県の危機管理対策本部会議では、被害が確認されていないことなどが報告された。玉城知事は「国連決議に違反し、また台風2号が接近している状況でのミサイル発射は大変遺憾としか言いようがない。今後も引き続き国市町村と緊密に連携し、住民の安全安心の確保に全力で努めたい」と話した。

 政府は、午前6時35分ごろに朝鮮半島西側の黄海上空で消失したと推定している。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は、軍事偵察衛星の打ち上げを行ったが、「事故」が起き墜落したと報じた。できるだけ早い時期に2回目の発射を行うとしている。

 北朝鮮は、31日から6月11日の間に「人工衛星」を打ち上げると通告していた。防衛省・自衛隊は迎撃のため先島地方に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊を展開していたが、発射はしなかった。陸自は、石垣市ではPAC3を同市南ぬ浜町の新港地区に展開するとしていたが、展開が完了する前に「衛星」が発射されたとみられる。