名前は語る 不戦の願いを 沖縄戦犠牲者24万人余「平和の礎」読み上げ始まる 23日まで


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戦没者の名前を読み上げる、北谷町遺族会の宮里友常会長=1日、北谷町役場

 【北谷】沖縄戦などで犠牲になった24万人余りの名前を読み上げる「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」(主催・同実行委員会)が1日、北谷町を皮切りにスタートした。昨年に続き2回目の開催。リレー形式で町出身者約1600人の名前と年齢を読み上げた。

 1日にあったセレモニーは台風で縮小されたが、北谷町役場などには約20人が集まった。読み上げは北谷町遺族会の宮里友常会長(74)から始まった。戦没者の中には年齢が分からない人や赤ん坊もおり、読み上げ者が涙で声を詰まらせる場面もあった。

 北谷町遺族会顧問の新田宗信さん(87)=北谷町=は、9歳で沖縄戦を体験し、フィリピンにいた兄を亡くした。「名前を読み上げることは、戦争を二度と起こしてはいけないという思いにつながる」と強調した。

 読み上げは那覇市や読谷村、西原町でもオンラインで実施された。23日の慰霊の日まで、県内外・韓国などで行われる。
 (石井恵理菜)