豊見城市の下水道、値上げも視野に検討へ 2年連続赤字 審議会が初会合 沖縄


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豊見城市の上下水道の適正な使用料水準の検討について市から諮問を受けた、同市上下水道事業審議会=5月23日、豊見城市の同市役所

 【豊見城】沖縄県豊見城市の上下水道事業の運営について調査や審議を行う「市上下水道事業審議会」の初会合が5月23日、同市役所で開かれ、上下水道の適正な使用料水準の検討について市から諮問された。同市の下水道事業は2年連続で赤字となっており、審議会は値上げも視野に下水道の適正な料金について検討することを確認した。

 審議会は、学識経験者、利用者代表、各種団体代表ら7人で構成。冒頭、委嘱状が交付され、会長に平敷徹男氏(琉球大学名誉教授)が選出された。その後、上下水道の使用料と併せて2021年策定の「市上下水道経営戦略」の見直しについて諮問があった。

 続いて事務局が市の上下水道事業について説明。この中で水道事業については、使用料徴収により21年度は2億7000万円の黒字を出すなど安定経営にあるものの、1968年から設置が始まった水道管が老朽化し、更新が必要なことなどが説明された。一方、下水道は、市の料金改定が2005年以降行われず、県汚水処理負担金の2度の値上げなどにより、20年度に600万円、21年度に1600万円の赤字となったことなどが報告された。また、同市の水道事業と下水道事業は地方公益企業で、経営は独立採算が原則とされることが説明された。

 審議会では、水道事業に関しては使用料の審議を行わないことで一致。下水道は適切な料金水準を検討するという方向性を確認した。今後、4回ほどの会合を経て、10月にも審議結果を答申する。各審議会の議論(要旨)は、市のホームページでも報告される。

(岩崎みどり)