石垣港労働者約50人、自宅待機を決定 PAC3配備で安全に不安「なぜ民間港に」


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石垣市建設部の運道徹部長(左から2人目)ら市担当者に、港からPAC3を撤収させることなどの組合の意向を伝えた、市内の港湾業者の役員(右側)=6日、沖縄県石垣市役所

 【石垣】石垣市南ぬ浜町の新港地区への防衛省・自衛隊による地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を受け、市内の港湾業者3社の労働組合は6日、安全確保の観点から7日から自宅待機をすることを決めた。自宅待機する組合員は約50人。6日に3社の役員が市の担当部長と面談し、PAC3の撤収など組合の意向を伝えた。

 役員から報告を受けた組合は「市から具体的な回答を得られていない」として、組合員の安全確保のため自宅待機を決断した。3社の組合員は7日午前9時の始業開始時刻から自宅待機を始める。解除の時期は6日現在で未定だ。

 全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部の関係者は「港に配備して万が一、何かあったらどうするのか。駐屯地に置けないものをなぜ民間港に置くのか」と憤った。

住民の生活物資などがコンテナで搬入される石垣港=6日、沖縄県石垣市浜崎町

 3社の役員計3人は6日午後、市役所で市建設部の運道徹部長らと約30分間面談した。終了後に報道陣の取材に応じた運道部長は、港湾業者側から受けた要望を中山義隆市長に伝えるとした。組合側から、防衛省や市から配備に関して説明がないとの声が上がっていることについて「私どもが説明する立場にない。防衛省側がしっかりと市にも住民にも周知する役割ではないか」と話した。

 港湾行政に携わる立場として「港湾機能をまひさせないために、新港地区以外の別の場所を検討するよう防衛省側に申し入れていた」とも述べた。

 全港湾の八重山部会の波照間忠部会長は「組合員の安心、安全を守りたい」と述べた。
(照屋大哲)