富裕層に響く観光PRとは フロリダの事例から見えること 宿泊税「定率制」への提言も


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沖縄のインバウンド観光について講演するセントラルフロリダ大学の原忠之博士=6日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は6日、第1回インバウンドビジネス対応セミナーを那覇市の県立博物館・美術館とオンラインで開催し、関係者ら80人が参加した。セントラルフロリダ大学の観光・ホスピタリティ経営学部テニュア(終身在職)准教授の原忠之博士が「沖縄インバウンド観光に向けた提言」というテーマで講演し「富裕層獲得に向け、海外客向けにPR方法を工夫すべきだ」と提言した。

 原氏は日本の高級ホテルはきれいな部屋や料理をプロモーションすることが多いのに対し、米国で最も平均客室単価(ADR)が高いフロリダ州オーランドのホテルのプロモーション画像は人や場面に焦点を当てていると説明。世界の富裕層の多くは米在住だと指摘した上で、体験を前面に出したPRの必要性を示した。

 その上で、2019年のラグビーW杯では1人当たり68万円を消費したことを例に挙げ、8月に沖縄で開催するFIBAバスケットボールW杯への期待も示した。

 また、オーランドは宿泊費の6%を宿泊税として徴収する事例を紹介。日本での導入地域は定額制を設ける場合が多いが、その場合はADRが上昇しても徴収額が変わらないため、「税率は定額制ではなく、定率制にすべきだ」と指摘した。
 (與那覇智早)