JAおきなわが減益 3月期決算、黒糖の補助終了などが影響


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2023年3月期決算を報告する(左から)JAおきなわの又吉宗光専務、前田典男理事長、古波蔵清常務=9日、那覇市楚辺のJA会館

 JAおきなわ(前田典男理事長)は9日、2023年3月期の決算を発表した。企業の粗利益に当たる事業総利益は、黒糖多用途実証に関する沖縄県の補助終了などにより、前期比2・2%減の175億6千万円だった。事業総利益から人件費などの事業管理費を差し引いた事業利益は、人件費の削減などにより同66・6%増の3億9300万円で、経常利益は同16・2%減の14億1900万円で減益となった。

 純利益に当たる当期剰余金は固定資産処分益や減損損失などを計上した結果、同7・8%増の10億7200万円となった。

 事業総利益を部門別で見ると、購買事業では、肥料飼料価格高騰を受けた買いだめ傾向や、県・国の補助による農家支援により肥料を取り扱う量が増え、取扱高が増加した。販売事業では、ファーマーズの過去最高取扱高や農産加工品が好調だった一方で、子牛価格の下落などがあった畜産部門や、黒糖消費に関する県の事業が終了した製糖工場の取扱高は減少した。

 信用事業は同2・6%減の68億1800万円、共済事業は同0・4%減の34億7900万円だった。

 24年3月期の損益計画は事業総利益が174億5500万円、経常利益が9億8500万円と減益を見込んでいる。

 前田理事長は「飼料や肥料価格の高騰の中、JA独自の支援をしつつ利益を出せていることは一定の評価ができる」と振り返った。また組合員を対象とした、災害緊急特別支援資金については延長し、資金繰りの支援に引き続き取り組むとしている。

(福田修平)