かりゆしウエアの製造枚数が4年ぶりに増加 22年は31万6000枚 コロナの制限緩和に朝ドラ”特需”も


この記事を書いた人 琉球新報社
かりゆしウエア

 2022年のかりゆしウエア製造枚数(下げ札発行枚数)が前年比11%増の31万6171枚となり、4年ぶりに前年を上回った。9日までに沖縄県が公表した。新型コロナウイルスによる行動制限の緩和などがあり、経済活動の回復を見据えた業界団体の商品開発や需要掘り起こしなどが奏功した。業界団体は「売り上げは好調で、新型コロナ拡大前の水準に戻るだろう」と見込む。
 

 コロナ禍では、外出や営業活動の自粛が続き、19年以降は3年連続で減少が続いた。21年は12年ぶりの30万枚割れとピーク時の6割弱の水準に落ち込んでいた。危機感を募らせた業界団体はレディース商品の拡充や長袖ウエアの商品開発などを図ってきた。

 県衣類縫製品工業組合の美濃えり子事務局長は「コロナ禍が落ち着き、外出の機会が増えたこともあるが、22年は沖縄の復帰50周年式典や、NHKの連続テレビ小説『ちむどんどん』などの影響もあり特需があった」と分析した。

 同組合によると、かりゆしウエアは夏場の半袖をイメージが定着しているが、22年後半から新しいスタイルとして長袖のかりゆしウエアの需要も高まっている。美濃事務局長は「ジャケットにも合わせられる長袖のかりゆしウエアをPRしていきたい」と語った。

 かりゆしウエアは2000年の九州・沖縄サミットを機に注目され、05年に始まった、夏場の軽装を促す政府の「クールビズ」運動なども重なり、県内ではビジネスからプライベートまで浸透している。

 県内で縫製・加工されたかりゆしウエアであることを認定する県衣類縫製品工業組合の下げ札の発行ベースで、製造数は2014年の49万3035枚がこれまでの最高となっている。
 (與那覇智早)