2023年度全九州高校体育大会の自転車競技第3日は10日、鹿児島県南大隅町の根占自転車競技場で行われた。男子スプリントは伊藤疾風(南部農林)が準決勝2組を2―0で勝ち上がったが、決勝は1―2で惜しくも敗れて2位となった。小田桐侃汰(北中城)は6位。男子ポイントレース決勝は畑祐太郎(首里東)が20点で2位となって、9日の個人追い抜きに続き表彰台に上った。大城朝海(北中城)は4位、諸見航太郎(同)は14位だった。男子ケイリンは仲眞良河(北中城)が2回戦を勝って決勝に進んで4位に。男子スクラッチ決勝にも出場した諸見は13位だった。
伊藤「全国で腕試したい」
「悔しかったけれど楽しかった」。男子スプリントの伊藤疾風(南部農林3年)は1位を逃したものの、声を弾ませた。
準決勝は相手が隙を見せた一瞬に仕掛け、ダッシュも成功させて2本連取。決勝1本目も先取したが、2本目は先に出た相手に追い付けず勝負は五分に。3本目は雨が降ったトラックで駆け引きの最中、滑って落車した。再レースとなり「体が驚いたのか、震えていた」。それでも再スタートの瞬間に集中し、震えはぴたりと止まったという。
前半は後ろに付き、後半で自ら仕掛けて抜き去ろうと狙ったが「相手がなかなか前に出なくて。集中が切れた一瞬に抜かれてしまった」と悔やんだ。
短距離で力を買われながら、これまで全国の経験はない。全国総体の切符を手にして「うれしい」と喜ぶ。「高校最後の大会は積極的に動いて、自分がどこまでできるのか腕を試したい」と闘志を燃やす。
(安里周悟)