県高等学校文化連盟(県高文連、宮里哲会長)は13日、那覇市の八汐荘で記者会見を開き、会計担当の60代の女性嘱託職員が県高文連予算を横領したと明らかにした。被害金額は本人の申告と県高文連の確認だけで2305万2340円。2021年度からの2年間で、口座から数十回に渡り引き出された。13日までに全額返金されている。4月27日に本人が申し出て発覚したが、県高文連は「(22年度の)監査が継続中だった」などとして、6月12日に警察に相談した。今後、刑事告訴なども視野に対応する。
当該職員は発覚後から出勤を停止させている。宮里会長は処分について「今後厳正に対処する」と説明した。警察への連絡が発覚から1カ月以上かかったことについて「各大会への影響が出ないようにしていた」とした。
本人の申告を受けて県高文連が確認した横領被害額の内訳は、21年度636万円、22年度1669万2340円。理由について本人は「金の先物取引に使った」と答えているという。口座には女性職員からの入金記録も複数あった。返金額は本人の申告時点で約170万円足りていなかったが、その後現金で返金された。宮里会長は「収支が合致していて(横領に)気付けなかった。通帳と銀行印を別管理にして複数人でチェックするよう徹底する」と説明した。
県高文連には毎年、県教育委員会から約1600万円、加盟する各高校から計3千万円が集まる。監査責任者は加盟校から教頭2人が担当しているが、詳細な監査業務は実施しておらず、実質的に女性職員1人で管理していた。監査責任者の処分について宮里会長は「詳細な出入金の確認は担当しておらず、処分は考えていない」と責任を不問にした。予算の横領で過去の大会への影響は「なかった」と答えた。
宮里会長は「生徒、保護者をはじめ、学校関係者の皆さまの期待と信頼を裏切る事態になったことは誠に残念」と謝罪した。渡久山英雅前会長は「勤務状況など問題なかった。子どもたちへの思いも強かった」などと答えた。
(嘉数陽)