新鮮なトビイカの香ばしさを凝縮 「海人のイカ煎餅」 糸満ハーレーに合わせて発売


この記事を書いた人 琉球新報社
新鮮なトビイカを使い、うす焼きで香ばしく、サクサクとした食感が特徴の「海人のイカ煎餅」

 【糸満】6次産業で海人(うみんちゅ)のまち活性化へ-。糸満漁業協同組合(東恩納博組合長)などは、急速冷凍装置を搭載した漁船「第八昴和丸」で釣った沖縄近海のトビイカを使用し「海人のイカ煎餅(せんべい)」を開発した。糸満の新たな特産品として、糸満ハーレーが開催される6月21日に発売する。

 糸満市は古くからトビイカ漁が盛ん。2015年には県のソデイカ拠点産地に認定された。糸満漁協は19年に水産庁の「もうかる漁業創設支援事業」を活用し、マイナス40度の急速冷凍装置を搭載した第八昴和丸を導入。漁獲物の鮮度向上と長期保存が可能となったことで加工品開発の環境が整った。

 「海人のイカ煎餅」の開発は、鮮度を保持した冷凍トビイカの販路拡大が目的。南都物産(那覇市、大城宗直社長)、テトラメイク(那覇市、中村謙社長)と共同開発した。同船で水揚げする年間約20トンのトビイカの一部を加工用に確保し、内臓やゲソ、身をミンチ状にし小麦粉などと練り混ぜてうす焼きにした。

「海人のイカ煎餅」をPRする(右から)糸満漁協の大城栄喜参事、東恩納博組合長、當銘真栄糸満市長、南都物産の大城宗直社長、テトラメイクの中村謙社長=13日、糸満漁協

 13日に同漁協で会見した東恩納組合長は「子どもからお年寄りまでおいしく食べられる煎餅に仕上がった」とPR。テトラメイクの中村社長は「新鮮なイカの、香ばしい香りとサクサク食感が出るようこだわった」と振り返った。南都物産の大城社長は「自宅用や土産品として食してほしい」と語った。

 糸満市は今後、ふるさと納税の返礼品としての活用も検討する。當銘真栄市長は「地域資源を活用した商品で市のPRになる。ビールと共に楽しんでほしい」と話した。

 「海人のイカ煎餅」は箱入り大判5枚入りが650円(税抜き)、久米島産クルマエビ、県産アーサとの3種アソート袋入り45グラムが400円(同)。同漁協や糸満市物産センター遊食来、おきなわワールドで購入できる。
 (岩切美穂)