「必要、相当性が分からない」那覇地裁、原告の意見陳述を認めず 辺野古抗告訴訟 弁護団、書面読み上げで対応


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那覇地裁

 名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡り、辺野古周辺の住民らが国を相手とした抗告訴訟は13日、那覇地裁(福渡裕貴裁判長)で第4回口頭弁論が開かれた。原告側は原告1人の意見陳述を求めていたが、福渡裁判長が許可しなかった。原告側弁護団は対応策として、18ページにわたる第2準備書面を約30分かけて全文読み上げた。

 民事訴訟で準備書面は分量が多くなる傾向にある。通常は裁判官が「陳述しますか」と尋ね、弁護士が「陳述します」と答えることで書面を全文読んだと見なす。

 弁護団によると、地裁は第2、3回弁論の前に、意見陳述の内容を見せるよう要望。第3回弁論では一部の文言修正を求めた。

 13日の弁論前も同様の要望があったが、原告側は応じなかった。福渡裁判長は意見陳述について「必要、相当性が分からないので許可できない」と述べた。

 弁護団の白充(ペクチュン)弁護士は「意見陳述をさせないとなると、書面を法廷で読んで、注目している方々に主張を届けたい」と強調。原告適格に関する5月の最高裁判例について書かれた第2準備書面を読み上げた。106ページに上る第3準備書面も用意していたが、読み上げる時間がなく次回以降に持ち越しとなった。今後の弁論期日は28日の進行協議で話し合う。