沖尚高グランプリ 日本ストックホルム青少年水大賞 漫湖の水質浄化研究 日本代表で世界大会へ


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沖尚の(右から)大城与志仁教諭と佐渡山風羽さん、新城有希葉さん、赤嶺太一さん、我如古梨乃さん。専門的に支援する鹿島建設の鈴木祐麻さん=13日、東京都内

 【東京】第25回日本水大賞・2023日本ストックホルム青少年水大賞(主催、日本水大賞委員会・国土交通省)の表彰式と受賞者活動発表会が13日、東京都江東区の日本科学未来館で開催された。日本ストックホルム青少年水大賞に、応募総数12件の中から沖縄尚学高校国際文化科学コース(那覇市)の科学探求グループ「BiO2」がグランプリに輝いた。漫湖の水質について論文にまとめた。8月にスウェーデンの首都、ストックホルムで開催されるストックホルム青少年水大賞(国際コンテスト)に日本代表として参加する。

 日本ストックホルム青少年水大賞は、水に関するさまざまな問題を解決するための調査研究活動に取り組んだ高校生らに贈られる。

 グランプリに輝いた沖尚のメンバーは3年の新城有希葉さん、佐渡山風羽(ふう)さん、赤嶺太一さん、我如古梨乃さんの4人。論文のタイトルは「メヒルギによるバイオレメディエーション」。

 4人はラムサール条約に登録されている那覇市の漫湖で、汚れがひどかった時期でもマングローブが増殖していることに注目した。漫湖で最も広く分布しているマングローブのメヒルギに着目し、若葉と落ち葉に含まれている重金属の量を比較した。一部の重金属がメヒルギの落ち葉で濃縮されていることを明らかにし、論文にまとめた。

 発表会で4人は「メヒルギを利用して環境に負荷をかけずに環境浄化できる可能性がある。特に水質浄化整備が整っていない開発途上国で有効的である」と力強く発表した。

 同校で生物を担当し、BiO2のメンバーをサポートする大城与志仁(よしと)教諭は「これをきっかけに自信を持って世界大会に臨んでほしい」と話した。

 日本水大賞には応募総数96件の中から北九州市上下水道局(福岡)が大賞に選ばれた。
 (中川廣江通信員)