漂流するミニボート、中には小中高生も…波高く視界が悪い中、救助の2人に感謝状 国頭漁協組合長ら


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人命救助感謝状と表彰状を受け取った村田佳久組合長(左から2人目)、照屋春輝組合員(同3人目)と、新屋満名護海上保安署長(左端)、永吉辰也洋上救急センター沖縄地方支部幹事(右端)=5月26日、国頭漁業協同組合会議室

 【国頭】人命救助に貢献したとして、国頭漁業協同組合の村田佳久組合長(58)と照屋春輝組合員(28)に名護海上保安署から感謝状、琉球水難救済会から表彰状がそれぞれ贈られた。5月26日に同漁協で贈呈式があった。

 5月6日、国頭漁港沖合でミニボート2艇がエンジン故障のため航行不能となり、漂流した。情報を受けた村田さんは照屋さんに連絡をとり、消防職員2人と共に漁船で救助に向かった。当時は波が高く、視界も悪いなど厳しい状況だったが、連絡を取り合うなどし、沖合4~5キロで漂流している2艇を発見。乗員計7人を救助した。全員にけがなどはなく、うち4人は小中高生だった。

 村田組合長は「一歩間違えば大惨事になっていたかもしれない。消防、保安署、第一くにがみ丸(漁船)がうまく連携して速やかに救助対処できた」と述べた。

 新屋満名護海上保安署長は「北部地区では危難救助の一報が入っても、名護市の船艇基地からすぐに巡視艇が現場に到着するのが厳しい。今回のように国頭漁協が、情報を入手するや迅速に対応していただき、大変いい事例になったと改めて感じる。今後も民間、国家機関含めて地域と連携して対応していきたい」と感謝の言葉を述べた。
 (新城高仁通信員)