ライブ字幕、海外にも うるま・アイセック社 来月、那覇に新拠点


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「なはセンター」の新設を発表したアイセック・ジャパンの一瀬宗也社長(右)ら=16日、県庁

 聴覚障がい者向け字幕サービスを手掛けるアイセック・ジャパン(うるま市、一瀬宗也社長)が提供する字幕電話やライブ字幕の需要が拡大している。海外からの利用も増えており、オペレーターらが稼働する拠点として7月に那覇市の沖縄産業支援センター内に県内3カ所目となる「なはセンター」を開設し、人員も増やして需要増に対応する。

聴覚障がい者向けサービス

 採用試験を6月末に予定。なはセンター開設について16日に県庁で会見して発表した一瀬社長は「社会貢献が事業の柱だ。聴覚に不自由を感じる人の支援をしたいと考える人はぜひ、応募してほしい」と話した。

 字幕電話はオペレーターによる入力やAIの自動変換で、通話相手が話す内容をタブレット端末などに文字で表示するサービス。

 また、やりとりをディスプレーに表示するライブ字幕は、全国の地方議会のほか、大学、高校で導入する事例が増えており、現在は数十件程度の契約がある。

 今年1月、米ラスベガスで開催されたソニーとホンダ共同の新電気自動車発表イベントでは、日本人向け動画配信で、同社のシステムが採用された。グーグルやマイクロソフトなど米大手IT企業などからの問い合わせも増えているという。

 字幕タイピングなどで現在50人を雇用しているが、2025年4月には県内3センターで計100人超を雇用する予定。

 7月に10人、24年は約30人の新規雇用を計画している。採用試験は6月28日に実施。

 同社の利用者が24年度末までに5千人、25年度末までに2万人まで増加すると見込む。一瀬社長は利用者が2万人になった場合には「200人ほどが必要になる」と話した。採用試験などの問い合わせは098(972)6888。

(與那覇智早)