地域に根差し、人々の暮らしや文化、産業における沖縄の“モノ”づくりに携わる職人たちを月1回、写真で紹介していきます。第1回は沖縄県伝統工芸士で県三線製作事業協同組合理事長の渡慶次道政さん。三線づくり50年、沖縄の歴史や伝統芸能にかかせない音色を生み出す渡慶次さんの作業現場に密着しました。(2022年06月12日付 りゅうPON!掲載)
【ヤスリがけ】
木材(コクタン)を棹の形に削り、ヤスリをかけて仕上げていきます。渡慶次道政さんは「とても疲れるけれど楽しい作業です」と笑顔で話していました=那覇市繁多川の渡慶次三線工房
【組立】
各部品を組み立てて仕上げ作業を行う渡慶次さん。10年以上乾燥させた原木から型を削り、長い時間をかけて丁寧に仕上げていくそうです。
【糸巻き】
渡慶次さんは「ムディ」または「カラクイ」と呼ばれる糸巻きも製作しています。
【県産品普及に力】
約50年間、三線文化を支え続ける職人の渡慶次さん。2013年には県内初となる三線の県工芸士として認定。後継者育成や材料の確保などに力を入れ、県産三線の普及や保護に努めています。
【皮張り】
皮張り器を使って蛇皮を胴に張ります。表面をたたいて音を確かめながら張りの強弱を調整していきます。
【蛇皮】
三線の胴に張る蛇皮を広げて見せてくれました。日に当たりすぎたり、湿度が高すぎたりすると皮が傷みやすくなるそうです。
【名を刻む】
三線の棹には製作者の名前が刻まれています。
【手技光る完成品】
渡慶次さんが製作した三線。胴は「ティーガー」と呼ばれる美しい模様の入った生地で巻かれています。
【響く音色】
でき上がった三線を手に「てぃんさぐぬ花」を披露する渡慶次さん。心地良い三線の音色と渋みのある歌声が工房に響き渡っていました。