大きさも形もさまざまな竹細工が並ぶ「北谷竹細工」(沖縄市八重島)。人がすっぽりと入る直径約1.5メートルのかご「バーキ」やおしゃれな手提げバッグ、竹でQRコードも作りました。「伝統を守りながら今の時代にあったものを作っている」と職人の津嘉山寛喜さん(73)は話します。
祖父の代から竹細工の職人で、40歳の頃に北谷町で北谷竹細工を設立。材料は節と節の間が長く、しなやかな蓬莱竹で、年に4回ほどやんばるで採取します。その竹を乾燥させ、長さや幅、厚さを整えます。「ヒゴ作りが7割、編むのは3割」と材料作りの大切さを語ります。
現在は工房で教室も開き、後継者の育成にも力を注ぐ津嘉山さん。「大きなものを作ってギネスにも挑戦したい」と夢とアイデアはつきません。(2023年5月14日付りゅうPON!掲載)
協力・北谷竹細工
文と写真 小川昌宏
【手早く編む】
手早く竹を編み込む北谷竹細工の津嘉山寛喜さん=沖縄市八重島
【工房】
さまざまな大きさや種類の作品が並ぶ工房。ランプシェードも人気という。
【作業台】
作業台の周りにはいろいろな工具や針金などが足元まで置かれている。
【昆虫の模型】
子どもたちに向けた教室なども開く津嘉山さん。リアルな昆虫も製作している。
【同じ幅に】
竹の幅をそろえる刃物。2本の刃の間に竹を通し、削ることで同じ幅にする。
【放射状に割る】
「等分機」と呼ばれる特別な道具で竹を割る。放射状に竹を等分に割ることができる(写真は8等分)
【慣れた手つき】
編む順序に沿って慣れた手つきで手早く編み込む。
【巨大な作品も】
直径約150センチのバーキ(手前)など巨大な作品も手がける。
【おしゃれ】
おしゃれな竹細工のバッグ。プラスチックを減らす動きの中で、注目も高まっているという。