オリオンビール(豊見城市、村野一社長)は20日、2023年3月期決算を発表した。新型コロナウイルスの規制が緩和されたことや全国旅行支援などの影響もあり、ビール類の販売が好調だったことや、リゾートホテルの業績回復で、売上高は新会計基準を適用し前期と比べて32%増の217億9300万円だった。営業利益は前期比約9倍の26億4200万円だった。経常利益は同約4倍の26億2600万円、純利益は同約7倍の64億5千万円で大幅増益を達成した。
主力の酒類・清涼飲料の売上高は同25%増の184億円。量販店の売上は0.3%減だったが、コロナの規制緩和の影響で飲食店向けの業務用が前期比約2倍となった。
ビール類の売上数量は同14%増の5万9300キロリットルだった。県内の売上数量は同14%増の4万2200キロリットルだった。県外での売上数量も同6%増の1万キロリットルだった。
海外では、台湾、豪州、香港、韓国などの主要輸出で売上数量が増加し、同28%増の6300キロリットルだった。海外専用商品の開発や販売で既存取引国で出荷量が増加した。スペインなど新規取引国も増加している。定期契約者数の増加などにより、ECサイトでも同34%増の800キロリットルと増加した。
リゾートホテル事業は売上高34億1400万円と、前期の18億600万円から2倍以上の回復となった。
村野一社長は「コロナの規制が緩やかになったことに加えて全国旅行支援などが追い風になった」と振り返った。2023年度の基本方針について「酒類飲料事業と観光不動産事業のシナジーを強化する」とし、オリオンホテル那覇のリニューアルやオペレーションの統合による運営の効率化に意欲を示した。
(普天間伊織)