“バスケ王国”沖縄、118年前の起源とは 競技人口比率「全国一」の熱気<W杯沖縄開催 バスケ王国の系譜>1


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県高校総体のバスケの客席やフロアには応援団が大挙する

 2023年5月28日、琉球ゴールデンキングスが千葉ジェッツとのチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)で連勝し、Bリーグで悲願の初優勝を果たして沖縄のバスケットボール界に新たな歴史を刻んだ。歓喜に沸いた“バスケ王国”の沖縄には、競技者が1万4630人(22年度、日本バスケットボール協会登録)おり、県民の約1%が競技をしている計算だ。人口比率で全国1位となるほど、県民にとってバスケは身近な競技になっている。

 県バスケットボール協会によると、バスケの入り口となることの多いミニバスケットボールの競技者は人口比率で全国ナンバー1で、コロナ禍でも競技者数が減らなかった全国でも数少ない県の一つが沖縄だという。

 バスケの県高校総合体育大会や全沖縄選手権には、部活や保護者を超えて学校単位で応援団が形成され、体育館の席から人があふれるほどだ。

 バスケの広い裾野と熱心な応援者を持つ沖縄。Bリーグの県出身者は2022―23シーズンでキングス一筋の“ミスターキングス”の岸本隆一をはじめB1、B2に13人、B3に7人が在籍する。

 また、業界誌のウェブ版によるとB1には8人が在籍(23年2月7日時点)し、全都道府県で9番目に多い。

ゲート通りを埋め、優勝報告する選手に視線を送るキングスファン=10日、沖縄市(又吉康秀撮影)

 横浜アリーナで行われたキングスのCS決勝には、分かっているだけで4千人以上の沖縄在住のブースターが海を越えて駆け付けた。会場でも試合展開に合わせて、自然発生的に起こる応援が選手を後押しし、優勝を決めると、ブースター同士も抱き合い、涙を流した。6月10日には優勝パレードとシーズン報告会が沖縄市のコザゲート通りなどで開催され、約2万2千人が通りを埋めた。

 “バスケ王国”の起源をさかのぼると1905年の琉球新報の記事にたどり着く。「今回始めて執行せしものは高等女學校生徒のバスケットボール」。沖縄の“バスケ”は運動会でプレーした高等女学校の生徒たちから始まった。

(屋嘉部長将、古川峻)


 バスケットボールの男子ワールドカップ(W杯)が8~9月、開催される。沖縄市の沖縄アリーナにも日本を含む8カ国からスター選手が集い、熱い戦いを繰り広げる。“バスケ王国”沖縄の源流をたどり歴史に迫る。

 

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