岸田首相「基地負担の軽減に全力」 沖縄全戦没者追悼式であいさつ


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
来賓あいさつする岸田文雄首相=23日、糸満市摩文仁

 岸田文雄首相は、沖縄戦の組織的な戦闘が終結したとされる「慰霊の日」の23日、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で開催された沖縄全戦没者追悼式で「今もなお、沖縄の皆さまには米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている。政府としてこのことを重く受け止めている」とあいさつした。米軍施設や区域の整理、統合、縮小を進め「目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げ、基地負担の軽減に全力で取り組んでいく」と語った。

 一方、沖縄県が求める名護市辺野古の新基地建設断念には言及しなかった。

 1972年の日本復帰から51年が経過した沖縄について「沖縄経済は着実に成長し、県民生活も大いに向上した」と評価したが、1人当たり県民所得の向上、子どもの貧困などの課題がなお存在し、コロナ禍からの観光業の復興や物価高騰への対応などの新たな課題にも直面していると指摘した。

 沖縄の豊かな自然や文化、伝統などの優位性を最大限に生かし、強い沖縄経済の実現に向けて「引き続き国家戦略としての沖縄振興にしっかりと取り組んで行く」と決意を述べた。