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<沖縄いきものマスター> 繁殖期は赤いくちばし ベニアジサシ


<沖縄いきものマスター> 繁殖期は赤いくちばし ベニアジサシ 水しぶきを上げながら餌を捕るベニアジサシ=2016年、渡嘉敷島の神山島沖(金良孝矢撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今回こんかい紹介しょうかいするベニアジサシは、5がつなかばごろから9がつにかけ、産卵さんらん子育こそだてなど繁殖はんしょくするため沖縄おきなわ飛来ひらいする「なつどり」です。沖縄おきなわじま周辺しゅうへんでは20カしょ以上いじょう繁殖はんしょくがあることが確認かくにんされており、県内けんない各地かくちられます。

 無人むじん小島こじま海上かいじょう岩礁がんしょうなど集団しゅうだん繁殖はんしょくします。渡嘉敷とかしきそんのナガンヌじまは、過去かこやくせんそう記録きろくされたことがある国内こくない最大さいだいきゅう繁殖はんしょくですが、近年きんねんそのかずすくなくなっています。

 エリグロアジサシはからあたまうしろにかけてくろ帯状おびじょう模様もようがあります。一方いっぽう、ベニアジサシはあたまくろいです。とてもていますが模様もようちがいます。

 けんのレッドデータブックでベニアジサシは絶滅ぜつめつ危惧きぐIIしゅ分類ぶんるいされています。子育こそだちゅうちかづくと、親鳥おやどり子育こそだてをやめてしまうこともあるのでちかづかないよう注意ちゅういしましょう。

写真しゃしん監修かんしゅう くに指定してい屋我やが地島じじま鳥獣ちょうじゅう保護ほご管理かんりいん 渡久地とぐちゆたかさん)
(2019年07月28日付 りゅうPON!掲載)


ベニアジサシ

分類ぶんるい:チドリもくカモメ
学名がくめい:Sterna dougallii bangsi Montagu, 1813
方言ほうげんめい:スゥードゥイ:しおとり名護なご屋我地島やがじじま
特徴とくちょう:くちばしのさきから尾羽おばねさきまでのながさがやく33センチ。体重たいじゅうやく100グラム。なつばねではあたまくろく、つばさ表面ひょうめん水色みずいろ灰色はいいろがかった「せい灰色かいしょく」です。むねがうっすらピンクいろになっています。

くちばしがまだ黒いベニアジサシ。繁殖期になると赤く染まります。

 オーストラリアなどから沖縄おきなわ飛来ひらいする5がつごろは、くちばしのいろ黒色こくしょくです。子育こそだての相手あいてまり、産卵さんらんはじまる6がつ以降いこうからオス・メスどもにくちばしが赤色あかいろ変化へんかします。子育こそだてがわる9がつには黒色こくしょくもどります。いろわる理由りゆうについてはまだかっていません。

影にいるひなを守ろうと羽を広げる親鳥(具志堅千恵子撮影)
ベニアジサシの親子
釣り糸がからまり死んでしまったベニアジサシ