イボイモリ
イボイモリは奄美大島や沖縄島、渡嘉敷島、瀬底島などに暮らしています。沖縄島南部のものの現状についてはほとんど情報がありませんでしたが、2015年ごろから本格的に調査が開始されました。結果、南城市の一部に現在も生息していることが明らかになっています。しかし、道路の整備や住宅などの建設工事によってすむ場所が奪われ、数を減らしています。南城市のイボイモリに至っては絶滅寸前です。車にひかれたり、道路脇の溝などに落ちてしまい干からびてしまった死体も発見されています。
監修・写真 琉球大学教育学部理科教育専修准教授 富永篤氏
写真 琉球大学理学部4年次 山本結沙さん
(2018年07月22日付 りゅうPON!掲載)
姿を変えて 成長の様子
分類:有尾目イモリ科
学名:Echinotriton andersoni(Boulenger,1892)
特徴:大きさは雄で全長15センチ、雌で20センチです。しっぽは体の約半分の長さがあります。卵を産む時期の雌の中には、30グラム近くになるものもいます。黒色でごつごつした恐竜のような皮膚をしていますが、しっぽの一部や指先は赤いです。
なだらかな丘や山の森林、林が近くにある畑にすんでいます。夜行性です。卵は陸に産みます。雨が降った時にふ化し、生まれた幼生(赤ちゃん)は、自分の力で跳びはねながら水たまりなどに移動します。幼体(子ども)になると陸で暮らすため、水の中で過ごすのは赤ちゃんの時だけです。
(写真提供 富永篤さん、山本結沙さん)
<まめ知識>
イボイモリの捕獲、採集は法律で禁止されています。しかし、ペットとして売ることを目的に隠れて捕まえる人がいることも減っている原因です。2015年11月には、ベルギーの税関で沖縄から送られたイボイモリが見つかっています。