ウリガーテナガエビと地下水の生き物たち
沖縄には石灰岩でできた島や地域がたくさんあります。川は少ないですが、代わりに地下に水が流れていたり、たまったりしています(地下水)。
地下の世界は太陽の光が入らないので真っ暗です。そのような環境でもさまざまな生き物が暮らしています。地下の生き物の特徴として、暗さで何も見えないので目が退化し、小さくなっていることがあげられます。沖縄の地下水に暮らす生き物には、チカヌマエビやドウクツモクズガニなど10種類のエビ・カニ類が知られています。それら以外にも、研究中のためまだ名前が付いていないものもおり、地下水の生き物については、今でも謎が多く残っています。(2018年08月26日付 りゅうPON!掲載)
監修・写真 藤田喜久沖縄県立芸術大学・准教授
ウリガーテナガエビ
分類:十脚目コエビ下目テナガエビ科
学名:Macrobrachium miyakoense Komai&Fujita,2005
特徴:大きいもので全長6センチ程度。体は白色、またはやや赤みを帯びた白色です。地下水が流れる暗い所にすんでいるので、目が退化して小さくなっています。地下水の中でも、特に塩分の高い場所で暮らしています。今までに5匹しか発見されておらず、詳しい生態はほとんど分かっていません。
ほかにもいろいろ!地下水の仲間たち
沖縄には多くの洞窟
石灰石でできている沖縄の島や地域には洞窟がたくさんあります。その洞窟の中に地下水が存在する場所が多く、生き物が暮らしています。
地下水の生き物は、淡水(真水)の環境だけでなく塩分の高い所にも生息しています。地下から海や井戸へとつながっている所もあり、井戸にワナを仕掛けると、地下水の生き物がかかることもあります。
<まめ知識>
記録に残っているウリガーテナガエビの発見場所は宮古島のみです。しかし、最近になって本島北部でもウリガーテナガエビの赤ちゃん(幼生)と見られるものが見つかりました。宮古島以外に他の地域でも生息している可能性があります。