八重山民謡「トゥバラーマ」から戦争を考える その特徴とは 白保中生が平和宣言も


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白保中学校の生徒に戦争を歌ったトゥバラーマについて説明する飯田泰彦さん(右)=14日、石垣市の同校体育館

 飯田さんは「八重山は歌と踊りの島だ」として、八重山諸島特有の民謡トゥバラーマを紹介した。戦争の記憶の風化が懸念される中、五感を使って戦争や平和の尊さについて考えようと呼びかけた。

 戦争を歌ったトゥバラーマの特徴として(1)ウラム(恨む)(2)ニタサ ガラマサ(嫉み・悲しみ)(3)ンザ(こいつ、あいつ、そいつ、この野郎)という言葉が使われることが多いと説明した。

 「戦世ど我な恨みらり親子妻夫ちりぢりなりねぬ(私は戦争を恨む。親子、夫婦も離ればなれになった)」という歌を紹介し、「歌は個人の思いだが、多くの人が共感できる普遍的なものだ」と強調した。「トゥバラーマは過去を回想するだけでなく、今を歌い、未来へのメッセージを歌うこともできる」と伝えた。

 3年生の宮良花凛さん(14)は「トゥバラーマの歌詞を通して、戦争は人の心をズタズタにするのだと知った。私たちは毎日当たり前のようにご飯を食べ、帰る場所もあることに感謝したい」と感想を述べた。

 講演終了後、全員で「平和に過ごせる世の中を自分たちの手で作り上げていこう」などと誓う白保中平和宣言をした。
 (照屋大哲)