震災で漂着、「JFたろう」と書かれた青い箱 沖縄・多良間村で発見 岩手県宮古市長に手渡す


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(左から)コンテナボックスを拾った福嶺常夫多良間村議会議長、返された山本正徳宮古市長、伊良皆光夫多良間村長=15日、多良間村コミュニティー施設

 【多良間】多良間村の海岸、ミッジトゥブリで見つかった岩手県宮古市田老の「JFたろう」と記された魚を入れるコンテナボックスが15日、村を訪れた宮古市の山本正徳市長に手渡された。村と市は姉妹市村で、山本市長は村政110周年の記念式典に参加するため来島していた。山本市長は「東日本大震災の時に流されたであろうJFたろうの入れ物が多良間村にたどり着いた」と感慨深げに語った。

 コンテナボックスを拾ったのは、村議会の福嶺常夫議長だった。昨年の夏、魚を捕りにミッジトゥブリに行った際に発見した。宮古市関係者が訪れた際に渡そうと、大切に保管していたという。

 コンテナボックスを手にした山本市長は、約150年前に宮古の商船「善宝丸」が台風で遭難し、漂着した多良間島で手厚いもてなしを受けたことに触れ、「海のつながりを非常に強く感じている。私たちはそのつながりによって仲の良い関係を続けてきた」と話した。

 伊良皆光夫村長は「昔からの縁が何かの形で続いていくのだろうと大変感激、感動している」と話した。
 (清村めぐみ通信員)