
24日に開催された「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流」では「台湾有事」の危機が叫ばれ軍備が強化されている現状に対して、対話による平和の構築を求める声が相次いだ。
来賓あいさつに立った玉城デニー知事は、安全保障環境が変化する中で、政府が南西諸島の防衛を強化していることに触れ「多くの沖縄県民は、軍事力による抑止のみではかえって地域の緊張を高め、不測の事態が発生するのではないかと強い不安を感じている」と指摘した。鳩山由紀夫元首相は、あらゆるテーマを対話で解決するシステムの構築を提案した。「武力による解決をさせないということだけを誓い合い、沖縄で議論する。考え方が同じでなくても、相互に尊重し理解し合って、必要なら助け合うという友愛の精神で議論し解決の糸口を探っていく」と話した。
第1部に登壇した我部政明琉球大名誉教授は、沖縄が置かれている現状について、辺野古問題を例に、民意が国に無視されている「政治的無人島だ」と表現した。沖縄の進むべき道について「周囲に頼るのでなく、そろそろ自分たちで物事を判断しないといけない」と語った。
主催者の一人でもある羽場久美子青山学院大名誉教授は、沖縄が大国対大国のボーダー(境界線)に置かれているとした。玉城知事が設置した地域外交室について「相互に周囲の国と交流を始めている。沖縄を中心にしながら周囲と結びつく中で平和をつくっていくことが大切だ」と評価した。
(佐野真慈、沖田有吾)