平和運動「国際連帯を」 沖縄と北米つなぎセミナー


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沖縄、米国、カナダからの登壇者をつなぎ、米国を中心とした軍事主義や国際情勢、沖縄の平和運動などについて議論したウェビナー=22日

 「沖縄からの声 太平洋軍事化におけるカナダと米国の役割」と題したウェブセミナー(ウェビナー)が22日あり、東アジア共同体研究所・琉球沖縄センター長の瑞慶覧長敏さんや、琉球民族独立総合研究学会の親川志奈子さんらが沖縄の軍事基地や平和運動の現状などを報告した。沖縄、米国、カナダからの登壇者は、軍事主義や植民地主義にあらがう国際連帯の必要性などを語った。

 ウェビナーはカナダ・モントリオールのNGOカナダ外交政策研究所などの主催。アメリカン大教授(歴史学)のピーター・カズニックさんは米国の覇権主義と太平洋地域の国際情勢、米中関係や核の脅威について説明した。

 カナダ在住でアジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカスエディターの乗松聡子さんは、カナダ軍の哨戒機が北朝鮮への監視活動として米軍嘉手納基地に飛来するなど、カナダ軍が沖縄の米軍施設を使用している現状を報告。米軍に追従したカナダ軍の動きに警鐘を鳴らし、米国の軍事主義や自衛隊強化に反対する沖縄の平和運動を報告した。

 親川さんは独立国だった琉球の歴史や琉球併合以降の同化政策、沖縄戦の歴史を紹介。辺野古新基地建設に反対する民意を一顧だにしない日本政府によって民主主義がないがしろにされている現状を伝えた。

 瑞慶覧さんは「日米という大きな権力と戦う上で、世界に届く声が必要」と国際連帯の重要性を語った。 (座波幸代)