「2024芸大・美大進学相談会」(琉球新報社主催)が7月2日、那覇市小禄の沖縄産業支援センター大ホールである。県立芸術大学美術工芸学部3年生の根原海來(みらい)さん(22)に、高校時代にどのようにして進路を決めたのか、また芸大で学ぶ意義などを聞いた。
―芸大での生活は。
絵画専攻で日本画を学んでいる。生き物の表情を細かく追うなど、じっくり観察して絵を描くことが好きで、抽象画ではなく日本画を選んだ。午前は美術史や哲学、自然環境論などの座学を受け、午後は学部生や院生などの6人とアトリエで制作作業をしている。同じ志の学友が集まるため、意見を交換したり、画材の情報を共有したりしている。
―どのようにして進路を決めたのか。
幼い頃から絵を描くのが好きだった。石垣市で育ち、少年漫画のキャラクターの模写や水生生物を観察して精緻な線画で表現していた。進学を決めたのは高校3年時で、急性白血病を患って西原町内の病院に入院し、院内学級に通っていた。自分自身を見つめ直した時、「やっぱり絵を描きたい」と思った。好きで終わるのではなく、突き詰めたかった。
美大卒でイラストレーターの母親にも相談し、情報が集まりやすい(芸大・美大受験専門予備校の)那覇造形美術学院で浪人した。経過観察で通院のしやすさと、自然や文化が身近にある中で絵に取り組めることから、志望校を県立芸術大学に絞って対策した。
―受験生に向けて。
大学生活は4年間もある。「自分がやりたいことは何か」をじっくりと考えてほしい。芸大・美大で課される試験のデッサンや着彩の技術も三日三晩で身につかない。粘り強く、めげずに頑張ってほしい。
(聞き手 高橋夏帆)