埋め立て土砂仮置き「重大な疑義」 県、入札中断を求める 辺野古新基地


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辺野古側の埋め立てが進む一方、県の設計変更不承認により大浦湾側は未着手となっているキャンプ・シュワブ沿岸部(2022年8月撮影)

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の埋め立てに使う土砂を辺野古側埋め立て地に仮置きする沖縄防衛局の計画について、県は28日付で計画の内容、埋め立て願書との関係など17項目を問う照会文書を防衛局に出した。仮置きは「現行の埋め立て承認処分により可能」だとした浜田靖一防衛相の発言に対し、県は文書で「承認権限を有する都道府県知事として、当初願書との関係で重大な疑義がある」と指摘した。

 防衛局が入札公告した関連工事の開札は7月20日に予定されている。

 県は、既存の埋め立て承認に合致すると判断できなければ、工事は進められない可能性があることから、防衛局に対し「疑義が払しょくされるまでの間、造成工事に係る入札手続きその他の手続きの中断」を検討するよう求めた。

 質問項目では造成工事の工期や工程のほか、仮置き場所で実施する環境保全措置を明示するよう求めた。工事場所の平面図や断面図、使用される土砂の内容など詳細をただした。

 県担当者は「大量の土砂を使ってどこでいつ、何が行われるかを確認し、今後の対応を検討する」と話した。

 質問は7月12日が回答期限。

(知念征尚)