小禄、機動力で8強 動画分析を基に仕掛け 5盗塁、守備かき乱す<夏の甲子園2023・県大会>


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西原―小禄 2回無死一、三塁、先制点のきっかけとなる二盗を決める小禄の金城吏生(右)=2日、タピックスタジアム名護(ジャン松元撮影)

 第105回全国高校野球選手権記念沖縄大会第7日は2日、タピックスタジアム名護などで3回戦7試合が行われた。ウェルネス沖縄は球陽に9―0、名護は知念に12―5でそれぞれコールド勝ちを収めた。糸満は北谷を6―3、興南は那覇を6―1、宮古は宜野湾を5―1で下した。小禄は第4シードの西原に3―1、KBC未来は那覇商に2―1で競り勝った。沖縄尚学とエナジックの試合は三回開始時点で天候不良となり、4日午後0時半からアグレスタジアム北谷で引き継ぎ試合となった。

 機動力を生かして積極的に次の塁を狙った小禄が第4シードの西原を破り、8強入りを決めた。計五つの盗塁を成功させるなど序盤から相手守備をかき乱し、自分たちのペースに持ちこんだ。勝利の瞬間、選手らはグラブでタッチし合い、喜びを表現した。

 二回。5番我部太信が一失で塁に出た後、二盗を成功させる。続く金城吏生の中前打で無死一、三塁とすると、金城も二盗を試みる。これが西原の失策を誘い、三走の我部が本塁まで疾走、先制点を奪った。この回もう1点を追加し、序盤でリードを保った小禄が競り勝った。

 事前に動画で西原バッテリーの特徴を分析し、どう戦うか作戦を練ったという。1、2回戦は打撃力で制したが、西原には盗塁から仕掛ける野球が有効だと判断。盗塁の練習は普段あまりやらないが、吉元嘉邦監督は「チャンスがあったらどんどんいけ」と選手に伝えていた。

 主将の金城は「チーム的にもレベルが上がっている。小禄の野球をさらに強化して次も絶対勝てるよう頑張る」と自信をみなぎらせた。
 (砂川博範)