【動画あり】オカガニ、必死で放卵 夜の海で命がけ 車にひかれた個体も 池間島


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押し寄せる波に合わせて体全体を揺らし、放卵するオカガニ=3日午後8時55分ごろ、宮古島市の池間島

 【宮古島】3日夜、宮古島市の池間島で内陸から海へと移動したオカガニが、満潮時の海に向かって、腹部に抱えた卵を波に放つなどして、命のバトンを次世代につなぐ様子が確認された。

 日が傾き掛けた同日午後7時半ごろ、池間島の県道230号にオカガニが現れ、内陸部からビーチへと向かって移動を始めた。腹部にふ化直前の卵を抱えたメスは、海と道路を隔てるコンクリートを登るなどし、懸命に海に向けて歩みを進めた。

 ビーチにたどり着いたオカガニのメスは押し寄せる波に合わせて、体全体を振るわせ、ふ化した幼生(ゾエア)を放った。一部のメスは、波にのまれて海中に体が引き込まれたが、必死になって波打ち際に戻り、放卵した。

 産卵の様子を見守った池間島出身の仲地邦博さんによると、陸生のオカガニは泳げないという。仲地さんは「溺れるリスクを顧みず、命がけで放卵する。そのけなげな姿に心を打たれた」と語った。

 抱卵に向かうオカガニの中には、道路で車両にひかれ、れき死した個体もいた。仲地さんは「産卵期の6、7月は特に、夜道を運転する際には気を付けてほしい」と低速で走行するなどの協力を求めた。(友寄開)

https://www.youtube.com/watch?v=/EUKVJ64Sb-U