23年度の沖縄観光一人当たり消費額は「減」の見通し、なぜ? 県が目標値など発表


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 沖縄県文化観光スポーツ部は4日、2023年度の観光収入は前年度比10.8%(774億円)増の7908億円、1人当たり観光消費額は同11%(1万1693円)減の9万3806円を目標とすることを発表した。目標達成に向け、コロナ禍後の観光需要を確実に取り込むための観光人材の育成と確保、バリアフリーや多言語への対応などを推進するほか、観光目的税の導入に向けた検討を進めることなどを掲げた。同日発表した「沖縄観光振興に関する2023年度の施策展開」の中で具体的な目標値や達成に向けた施策などを掲げた。

 人泊数は19.4%(420万人泊)増の2587万人泊(平均拍数3.27泊)とした。入域観光客は同24.5%(166万人)増の843万人(国内客720万人、外国客123万人)を予想。国際線の復便がまだ十分でないことなどから、過去最高値を記録した18年度比で15.7%(157万人)減を見込んだ。

 第6次県観光振興基本計画で掲げる「量から質への転換」を図るため、入域観光客の目標値は示さないとしていたが、観光収入などを割り出すため、参考値として算出した。

 22年度は、コロナ禍の旅行需要喚起策として実施されていた全国旅行支援の影響で高単価なリゾートホテルなどの予約が堅調で、付随するクーポン券の利用も好調だった。23年は全国旅行支援が7月20日で終了することなどを受け、1人当たり観光消費額は22年度よりも低くなると見通した。

 全国旅行支援終了後は、県は高付加価値旅行者の誘客に向けて、沖縄の豊かな自然や、伝統文化.歴史などを生かしたプロモーションを図る。そのほか、修学旅行の誘致や大型MICE(マイス、企業の報奨旅行や国際会議、展示会などの総称)の整備に向けた取り組みの推進、観光目的に応じた誘客を展開する。
 (與那覇智早)