玉城知事らが李強首相と会談 直行便再開など要請 李氏は沖縄・福建の交流支持


この記事を書いた人 琉球新報社
記念写真に納まる(前列左端から)日本国際貿易促進協会の河野洋平会長、中国の李強首相、沖縄県の玉城デニー知事ら=5日、北京の人民大会堂(共同)

 【北京共同=福田公則】中国の李強首相は5日、日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の訪中代表団と北京の人民大会堂で会談し、日中が「交流や協力を強化することを歓迎する」と述べ、日系企業の投資拡大を支援すると表明した。中国国営メディアが伝えた。中国は代表団の希望通り共産党序列2位の李氏が応対して厚遇し、日中関係を重視する姿勢を示した。

 代表団の訪中は2019年4月以来。会談には沖縄県の玉城デニー知事も代表団顧問として同席した。

 玉城知事は李首相に対し、新型コロナウイルスの影響で停止している沖縄と中国本土を結ぶ直行便の運行再開や、中国へ渡航する際のビザ取得手続き簡素化を要請した。日中関係については「建設的な対話によって地域の平和が保たれるようにしたい」と述べ、沖縄として友好親善に貢献する姿勢も示した。

 李首相は直行便の運行再開などについて「関係部門に検討を指示したい」と答えたという。沖縄との関係については「民間交流の重要性については良く知っている。沖縄と福建省の交流を支持したい」と応じた。

 日中関係は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画や中国当局による邦人男性拘束を巡りぎくしゃくしている。李氏は投資を支援する考えを示して中国事業を続けるよう促した形。中国は新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を回復するため日系企業の投資に期待している。