名護市の東江海岸で男子高校生が流される 友人らと遊泳中、消防に「おぼれた」と通報 発見に至らず7日朝に捜索を再開


この記事を書いた人 琉球新報社
高校生が流されたとみられる海岸の沖合で、捜索する消防隊員ら=6日午後6時過ぎ、名護市東江

 【名護】名護市消防によると、6日午後3時5分ごろ、名護市東江5丁目付近の東江海岸から約100メートル沖合で「男性がおぼれている」との119番通報が、この男性の友人からあった。名護海上保安署によると、おぼれたのは市内の男子高校生(17)という。消防や海上保安庁は約30人体制で周辺の海岸や沖合の捜索したが発見に至らず、午後8時7分、捜索をいったん打ち切った。7日早朝から捜索を再開する。

 第11管区海上保安本部によると、行方不明になっている高校生は友人ら6人と泳いでおり、潮流の影響で沖合に流された。ライフジャケットは着用していなかったみられる。消防は水上バイク2艇、ゴムボート1隻、名護海上保安署はゴムボート2隻と潜水士5人を派遣。上空からは海保のヘリコプターが現場海域を旋回しながら捜索に当たった。

 高校生が流されたとみられる東江海岸付近には、消防や警察の車両が集まり、隊員らが海岸付近を捜索する様子がみられた。周辺住民らも心配そうに捜索活動を見守っていた。沖合は白波がたち、捜索するゴムボートや水上バイクは波に打たれ、激しく縦に揺れていた。沖縄気象台によると、事故があった午後3時ごろ、名護市は西南西4・5メートルの風が吹いていた。波は2メートルで、やや高い予報となっていた。

 周辺で捜索の様子を見守っていた学生らによると、現場海域は地元の学生らがよく遊泳のために訪れる人気の場所だという。6日も複数人で遊泳するために、海岸を訪れていたところ、捜索が始まっていたという。捜索を見守っていた男性は「(岸壁の付近から)飛び込める場所もあって、よく泳ぎにきている場所だ。無事に見つかってほしい」と話した。

 第11管区海上保安本部のホームページは、現場となった名護市東江付近の海岸を「リーフカレント注意区域」としていた。航空機の調査で、消波のため海中に設置されている「潜堤(せんてい)」の開口部から、沖合に向けて速い流れが観測された地点だという。